「nanica」って何

2009年11月18日 01:35

このブログの趣旨を振り返ったとき、必ずしも改修の進行状況のみをアップすることに多少の違和感と発展性に疑問をもってきました。

そこで今回は、私が3年前に勢いと不安の中で立ち上げて以来、細く長く続けているコミュ二ティ『nanica』について書きたいと思います。

そもそも、この『nanica』というコミュ二ティは私自身がモノ作りをする中で、いろいろなモノの作り手やそういったことに興味がある人にそれぞれ出会うけれど、なかなか、その方たちとの接点見出せないことやもっと多くの人と情報を交換したいがその場所が無いことへの不満を解消するために立ち上げたものです。

いざ、立ち上げた時には、複雑な建前を考えていましたが、3年目を迎えてふと振り返ってみると、そこはやはり単なる好奇心ということばが残ります。
そして、最初はほんの数名からのスタートが今は、若い方を中心に60名ほどの参加をいただいているこの現実は責任と少しの満足感を与えてくれています。職種も多岐にわたり、家具職人・デザイナー・漆工・飲食店オーナー・建築家・陶芸家・またそういったことへ興味のある消費者側の方々と裾野は徐々に広がりつつあります。

うれしい限りです。

このコミュの活動についても簡単にふれますと、モノ作りの作品展示情報や自分の展示告知、建築物やお店の感想、そしてイベントの紹介など、こういった情報をメーリングリストのサービスを使い、登録の参加者にいっせいに配信します。

展示情報などは、なかなか自分だけでは知りえない情報の限界を、共有することで新たな発見があると好評をいただいています。またこのコミュニティの活動として、もっとも重要なこととして3ヶ月ごとに行われる「つどい」と称している集まりがあります。
つまりは、飲み会ですが、「つどい」とした方が、聞こえがいいので浅はかながら、こう呼んでいます。

いろいろな世界で働いている方々が集まり、酒を飲み、時間を共有すれば、自然とモノ作りの話、情報、独立への不安など、ここならではの話が出来ます。

かくいう私も、参考にさせていただく意見やモノの仕入れ方法や発注の話をここで手に入れさせていただいています。

前置きが長くなりましたが、先々週の土曜に、この『nanica』のつどいの13回目を開いたのである。
2回目となる企画「工場見学」のつどいには15名の参加者が集まりました。

まずは、参加者でもある「御銅師」(アカガネシと読むそうです)の田中善くんの工房から訪れました。
「御銅師」とは、銅の手打ちをやる方のことだそうで、現在はあまり数がいないとのことです。
銅板からの加工から道具まで丁寧に説明してくれる彼の顔はほんとにいい顔をしておりました。

そこでふと思ったのが、これからのモノの作り手は、自分の作っているモノをちゃんと説明しなければいけない、とあらためて思いました。人との会話の中にも、作ったモノの価値を決める要素は多分にあるのだと。
画一的に見るのではなく、トータルとして自分の商品を買っていただくプロセスが重要なのだと考えます。

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いろいろな種類の道具を説明してくれましたが、どうやら道具の名前は、それぞれの工房によって若干違うようです。道具への愛着心が伺えました。


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丁寧な説明でみな聞き入っておりました。
しかし、そこはモノ作りの方々、技術的な質問も。


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なんと銅打ちの実演と体験もさせていただきました。
カンカンと響く音と、手に伝わる振動は普段の木工では決して味わえない体験となりました。
そして、この工房は通りに面している部分がガラス張りのため、通行人がみな気になる様子で歩みを止めるのです。

人間本来が持つモノつくりへの興味の根幹を見た気がします。



さて、その後やはり参加者で、建築家の三浦正博さんの自宅へと移動しました。

彼の家は、我が家同様、古い住宅を賃貸という条件でありながら、改修してしまったなんとも特殊な家なのです。自分の住宅への実験と追求をかたちにした不思議な家です。
わたしが思うに、決して最高の居心地ではないだろうけど、そこには、利便性を棚上げしたことによる遊びと自由度がある気がします。

一つ言えるのは何かいい感じなのです。

ちなみに、前後しますがこの「何か」がこのコミュの名前の元になっております。
モノには、言葉にすることの出来ないその「何か」が潜んでいるのです、それぞれの主観により、絶対的な答えなどあるわけも無いですが、その何かはきっと存在しています。
そして、そこに、製作者の意図を超えたそのモノの価値が使い手によって見出されるのです。

うまいタイミングで忘れていたコミュの名前を説明できて良かった。

さてさてそんななんだかしっくりくる家での飲み会、それぞれ「おにぎり」、「おかず」などを持ち寄りいろいろな話することができました。
今回も、多くの刺激をもらい、この後の活動に励みになる「つどい」となったと思います。
今後も細く長く、このコミュを続ける中で成長していけたらと思っております。

最後になりましたが、今回、家の改修ばかりでぜんぜんモノ作りをしていなかったので原点回帰で「小箱」を作りましたので、写真アップします。




― 大切な人への贈り物を入れる小箱 ―

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○サイズ 80(高さ)×73×73 mm
○材料  栗
○塗装  オイル・ワックス


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