仙台のケヤキ並木で額制作

2010年09月03日 10:19

宮城県仙台市には、「ケヤキ並木が迎える杜の都」そんなキャッチフレーズがある。

私自身、木に携わる者として、非常に気持ちよく、なんなら少し誇らしくさえ感じる街。



:そんな、ケヤキ並木が倒される!

約2年前「地下鉄工事」の為、青葉通りのケヤキが一部伐採されることが決定したのである。

もちろん、市民、県民からも反対の声は多数あがり、NPOはじめ多くの有識者が意見を交換していました。

しかし、仙台市の街の発展を考えた際、必要枠という決定が下ったのです。




さて、なんでこんな話をブログに書くかと言いますと、伐採されたケヤキを自費で引き取り、乾燥させていた方がいるのです。

この伐採にあたり、何十本かのケヤキは引き取り手が見つかったようですが、そのうちの一部というわけ。



実は今回、そんな意味のある材料で額の制作を依頼されたのです。

戦後植えられた仙台の顔とも言える木での仕事、素直にうれしい。



まずは、材料の確認ということで材料を見に行くも。

それはあくまで街路樹、さらには搬送の都合太い枝部分をいただいたようでして、これまた難しい。
(枝は成長細胞が多いため、乾燥しても暴れやすく通常は用材としては使わない部分なのです)

さらに、問題は重なり、調べてみるとこの材料は、一般にはケヤキとは総称されていますが、厳密には「槻」という材料で、硬く、割裂が起こりやすいとのこと。


唯一の救いは、建物内での保管だった為、乾燥が十分されていたことです。




いずれにしても、話は二点三点しながらも制作ありきで進みました。




:白石にていよいよ製材からスタート。




依頼者のトラックで搬入し、いざ製材。




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お世話になっている材料屋なのでちょこちょこ伺うのですが、何度見ても樹皮に覆われた丸太から、木肌を見ると興奮します。



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半分以上の材料は、節やすでに割裂が入っており、額を作る材料としてもままならない感じですが、極力機能上問題なければ使うことを依頼者に了解をとり、今回は使うことにします。

本来はあまり使いたくないのですが。

この材料には、とくに人を惹きつける物語があるので。


しかし、挽きたての材料は美しい。

これを触りながら、臭いを嗅ぎながらお酒いけちゃいます。


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ついでに製材の刃物はこういうモノです。


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この木箱で約1.2~1.3mあります。

製材用の機械はほんと大きいです。



:額制作


制作自体は普通の額ですが、部材が部材なだけに額の四隅、45度の固定が心配です。

チギリを入れるも1週間後やはり、隙間が出てしまいました。

あらためて、木の動きの大きさ、部材の選定の重要性を感じます。



そしてなんとか形に。



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こんな部分も使わざる得ません。



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完成の写真も撮ったのですが、なぜかない?



:納品


納品し、皆さんに見てもらい、満足の御様子で私も一安心。

今回のことで私自身、非常に勉強にもなり、物語がある材料のあらたなスタートに立ち会えたと思うと感慨深い納品でした。



この納品先というのが、『御銅師(おんあかがねし)』(銅製品の製作)正確には、その方の実家の会社。

そして今回の額の中身は『御銅師』が打ち出した銅の社章のレリーフで納まり感も想像していたよりグット。

木と銅、相性はよさそうです。



また、ちょうどその時期、地元新聞社に取材を受けたようでして、7月の夕刊に額も載っておりました。

うれしい限り。



こういった、人と人の繋がりが、モノとモノへと繋がって、そしてまた人と人が繋がる。

こんなスパイラルにのまれてみたい。

一昔前までは当たり前だった仕事の有り方、今ではありがたさを意識せざる得ません。

もちろん、昔だってありがたかったのでしょうが・・・・・。

多分、いや絶対感じ方は違うはずです。




ほぞぼそとでもそんな気持ちをもてることをやっていかねば。




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