家って心のトレース

2011年07月29日 18:11

脇坂圭一アーキテクツの仕事

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今日は、最近見に行ったオープンハウスのレポートを書きます。

7月初旬の週末、宮城県多賀城市で行われた築約30年のマンションのリノベ現場を見学に行ってきました。もともとこの設計者である知人「脇坂圭一」氏とは、以前より知り合いで、その経歴もりっぱなものなのですが、それにおいても、その謙虚な姿勢がとても好感がもてる方です。イベントや友人の集まりなどでも偶然お会いしたりと、とにかく、縁がある方なのです。えらそうに書いていますが、この方僕よりも年齢が上なのです。失礼。でもきっとこんな書き方をしても、多めに見てくれるそんな人です。


さて、作品のお宅はこの脇坂さんの自宅のマンションで、僕が訪ねた時もまだ現場では詰めの作業中。職人と打ち合わせをこなしながら現場を案内してくれました。正直もともとの現場や間取りを知らないだけにリノベーションの落差は感じることが出来ませんでした。でも、新築として見てこれは、盛りだくさんな内容で写真でもわかるように、決して広くはない空間にその場所場所の試したいことがうっすらと感じ取れる。そんな印象です。これは、僕自身が少しは建築をかじっているからかもしれません。建築家たちがそういった建築を見る祭は、それぞれの空間や意匠の意図するところに共感したり、もしくは逆にまったく陳腐な空間に見えたりしているのでしょうね。僕の想像ですが、フムフムとうなずきながらもきっとそんなことを考えている建築設計をする方々の頭の中を見てみたい。

だいぶ脱線しましたが、後は写真でのレポートします。


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まずは、玄関。ここですぐさまぐっと来たのが、この床石。これは地元の秋保石で注文で端材を挽いてもらったもののようです。早速ですが、脳みそにインプットこれは何かに使いたい、むしろ今すぐにでも、我が家の玄関土間に使いたい。
アップがこちら!


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いい素地加減です。艶が苦手な僕としては、このかっさかさがいい感じ!僕の家の玄関土間では、同種でより一般的な石材、大谷石を考えてはいたのですが、こちらはやわさが問題。良いんですけどねー。



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洗面・バス裏の廊下でこの廊下があることで室内が回遊できて、動線が増え、空間としての可能性が増えている。



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玄関脇の家具によって仕切られる空間、この透明の波の板、一般的に軒の屋根材や壁などに使うもので、ぼかしを入れて空間として成立をねらっているのでしょうが、この部分は、僕の趣味ではございませんでした。



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こちらは、リビングに作られた、秘密基地?いや可動式子供箱のようです。上記の家具の仕切りを含め、ライフステージの変化に常に対応できるフレキシブルな設計の意図が感じられます。この子供箱は2つありそれぞれが2階建てで、1階の天井には無数の穴が空き、この中でいろいろな夢を見ることでしょう。きっとそんな装置。


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僕も今、キッチンで悪戦苦闘してるので、特に気になったキッチン。やはりアイランド型でした。僕もほんとはアイランドにしたかったのだけど、予算とあまりに古い家のため、制約が多く断念したのでした。やっぱりいいですね。壁を見て料理するより、人の動きを感じながらの料理はよりおいしい気がします。気だけですけどね。そして、ここでもそで壁に使われたのが秋保石、面白い使い方です。小物なんか飾って。いいなーとは思うのですが、この素地のざらざらでホコリなどお手入れの問題があります。今後どうかは、聞いてみたいですね。我が家のように最初から古びた空間なら、受け止められそうですが、これだけきれいな空間でどうこの石が空間の中で生きていくのでしょう。楽しみ。


とこんな感じで、レポートしてみましたが、やっぱり、設計者の試行錯誤が見えたり、感性が感じれるのは面白い。自分で作った家とはそういう心のトレースみたいなモノだと思っています。僕の家もそんな家にしたい。家に来た人が帰りにいろいろな意見を持ち帰って、何かまた考える一つのきっかけになるそんな家。

さあ、今週末も作業作業!


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