器を継ぐということ

2013年08月30日 19:22





こちら白石は朝夕はぐっと涼しくなってきました。朝方は寒さで起きるくらいです。ほんとうに東北の夏は短く、あっという間。夏真っ盛りは短いとはわかっているものの、早く秋がこないかなーなんて考えてしまいます。そして、今ぐっと涼しくなってしまうとこれまたセンチメンタルな気分なのです。なんともめんどくさいですが。いつか歳をとれば季節を純粋に楽しめるのでしょうか。まだまだ先は長そうです。


器の金継ぎ


実は1年ほど前から私の母は金継ぎをはじめています。月に2回ほど僕の友人の漆工芸作家の方のお家で教わっております。僕自身もいつかやってみたいと思っていたのですが、母も興味があったようでとんとん拍子に生徒なってしまいました。とはいっても、先生の本業は漆工芸なので、漆継ぎは仕事の合間にその技術を活かしてはじめてようで、大々的な教室なんてものではなく、都合を見ながらおじゃましているようなものです。
そこで、私の古道具のかけた雑器も練習用にと押し付けて何枚か直してもらいましたので、ここでご紹介します。金継ぎ素人の私が言うのもなんですが、当初はぼてっと絵の具をもったような印象でした。あ、誤解されると困るので、一応ことわっておきますが、ちゃんとした国産漆の下地に、本物の金をまいているようです。そんなこんなで最近はじょじょにその技術が板につきはじめたようで、精度が上がっているように見えます。母もいい歳ですが、なんとかの手習いで楽しくやっているようです。これからもぜひ続けてほしいと陰ながら思うこの頃です。そして、かけた器をせっせと直してもらおう。


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器は明治期あたりの印判手「なます皿」


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直しは2箇所、ちょっと絵の具のようでしょう。


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これは、今ものの白山陶器の湯のみ。水は漏れないのですが、ヒビが入っていたので。


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思い出あるもの、使いやすく手に馴染んでいるものをながく大事に使うという先人の知恵は、伝えるべき技術ではないでしょうか?この継ぐという考え方自体、日本独自のモノに対する考え方の表れだと思います。もちろん、茶器などそれ自体を芸術に引き上げた歴史は有りますが、それはまた別として、そういった直した物が身近にある生活は、いろいろな瞬間に私達の意識をちょっとずつ変えてくれるはずです。


※ちなみに金や銀で継いだものは金属なので、電子レンジに入れては使えないのでご注意を!



:解体からのスライド

最後まで読んでいただきありがとうございます。
H21年2月より解体からはじまった築100年の自宅のリノベーションの記録として、まずH21年の写真をまとめてスライドとしました。
写真をクリックするとその状況とコメントが出ますのでぜひご覧ください。


以下の「画面いっぱいでスライド」でブラウザいっぱいにスライドを見ることもできます。
右上の「show info」押すとコメントと一緒に楽しめます。

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●第2弾スライド H22年をまとめました。

2年目に入り、作業も内装中心に、そしてコウモリとのやり取りも!白くなってきれいになっていく室内をご覧ください

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●第3弾スライド H23年をまとめました。

いよいよ3年目に入り、震災もありましたが、とにもかくにも住める状態になりました。解体時からは想像できない空間。どうぞ御覧ください。

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バラすことで見えてくる形

2012年12月07日 10:49



食堂イスの直し


前回の続き、食堂イスの直しのレポートです。

初めて、こういったイスをばらしてみたのですが、目からウロコというか、単純だけど想像ができない工夫が所々に有りました。椅子生地のしょ納め方や座った時に膝の角が痛くならないようにするための工夫などなど、イス張をやっている人からすれば、ごくごく普通の事かもしれないけど、正直僕には、なるほどーと感心させられることも多かったです。頭では想像できていても、その問題を解決するパターンはどうしても狭くなるもの、それをこのように解体修理することで、新しくもの作りする時の解決パターンを増やせるのです。それを蓄積することは長い目で見れば、貴重なことだと思っています。僕自身イスの制作は当分考えらませんが。


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膝の裏が当たる部分にはこのように「わら」が巻いてあります。考えれば当たり前ですが、今これをやろうと思うと手間ですね。


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椅子生地と中綿を上げると、「わら」がぎっしり。何度も座ることで「わら」がすっかり粉々です。


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なんか、内蔵みたい。下の赤い生地の中にスプリングが収まっています。


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スプリングはこんな形で帯状の布に麻ひもで編み込まれている。


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この帯紐が良い感じ、素材は麻で、赤と緑のラインがとても魅力的。これはサンプルとしてとっておき、いつか何かの時に使いたいですね。

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これは、スプリングですが、古道具好きにはぐっとくる形、そして、その錆た佇まい。見た目はきゃしゃで頼りないのですが、触れば弾力があり、力を感じるなんとも言えないギャップ。これもまたしても収蔵品に!


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内蔵?を取るとこんな状態です。

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スプリングを外し、2種類のウレタンで座面を再調整し、椅子生地はまだ生かせそうなので再び使用しました。座り心地はスプリングの感触がなくなり、座り心地はだいぶ良くなりました。


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後はタッカーを隠すリボン・テープを付けて塗装するだけ、でもなかなかいいリボン・テープが見つからない。時間をかけて探そうかなー。



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何に使っていたのかも分からない形をどう使えるか想像する遊び

2012年11月30日 17:54




最近、古いモノが我が家に集まってきます。

小さな薬瓶から蔵から出た古材、お店のショーケースなどなど、しまっておくスペースもいっぱいになって来ました。もちろん、良い物ばかりではなく、状態が非常に悪いけど、手を入れればなんとか使えるものや、使い方を変えて見たたてやれば生きるものもあります。何れにしても、縁あって来たものはどうしてもなんとかしたくなってしまう性分です。もし気づかないところで処分されれば、それはしょうがないわけですが、捨てられる情報を知ってしまうとどうしても、どれどれと意気揚々と出かけてしまうのです。なんだろう。旅行に行って、何か好奇心をくすぐられる時の感覚に近いのかもしれません。見たことのないモノに出会えるという冒険心。なので、昔の工場などに行くと、ほんとにわくわくします。何に使っていたのかも分からない形をどう使えるか想像する遊び、最高です。

そんな、我が家に集まった中から、すでに直しを終えて使っているものをご紹介します。食堂イスで多分昭和の中期のモノ、何度か直しをしているようですが、近年はほったらかしだったようでだいぶ傷んでおりました。なんとも合理的に作られたそのイスの形は、どこの家庭にも似合い、置けばすぐにでも以前からあったかと思わせるくらい、いい意味で存在感ない形です。そんなイスが知り合いから捨てると言われたので、そりゃ、待ってください。もらいますとなるわけです。

さて、そんなイスはというと。


食堂イス直し


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背にはなんだかわからないラベルがたくさん張っています。


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脚には、補強のためにグルグル巻きにされたガムテープが。


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畳でも使っていたのかもしれません。こういう脚カバーは現在ないので、単純ですが面白いディティール。


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リボンテープはよく見ると和柄なんです。今、手芸屋などで探してもこういうモノ見つからないんです。すごくもったいないけど、ボロボロなところもあるので、外して付け替える予定


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角の収まり、勉強になる。


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外れている所もあり。


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ここも生地がさけてしまっています。



確かにボロボロなんだけど、そこには経年劣化でしか、表現できない素材の深みがあります。キズといってしまえばそれだけなんですが、置き場所による色の焼け具合や使用状況や頻度による独特の角の丸みまで、持ち主の個性のトレースのようなモノ。これはきっと素材の持つ素質だと思うのです。決して新建材が悪いとは思いませんが、新建材が台頭してきた現在の経済の枠組みが、その素材の持つ素質よりも重要視されていると思います。もちろん、もっと多くの問題や要素が絡んでいるわけですが、古いものへの愛着の理由を考える時、そんな答えにもぶつかるのです。




:解体からのスライド

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●第3弾スライド H23年をまとめました。

いよいよ3年目に入り、震災もありましたが、とにもかくにも住める状態になりました。解体時からは想像できない空間。どうぞ御覧ください。

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変わっていく価値観を横目で見ながら、前を向いていたい。

2010年08月04日 01:16




今日は、あるものとの出会いについて書きます。

もともとそれが目当てでもなく、別な展示を見るために僕らは山形市に向かいました。
以前より、交流があり、改修の現場も訪れてくれたすてきな大学院生の紹介で、リノベーションされた古いビルを使ったアート展が行われていたのです。

某美術大学で「東京R不動産」の馬場正尊准教授のゼミにいるその人は、古い建物や建物を生かす仕組みなど、いわゆる、町の再生全般に興味があるようで、初めてあって以来、近しい感じがするのです。


そんな出会いを経て、訪れたそのビルにそれはありました。

地下のスライドを流すその部屋には薄暗さと妙な落ち着いた空気がそれらしく漂っていたのを覚えています。


古ぼけてはいるが、真紅のファブリックに包まれた映画館に置かれていそうなイス。(写真を撮り忘れたのが残念です。)
座面が必要ないときは、背もたれに畳まれてしまうタイプ。(現在の映画館のイスと同様)

すわると多少きしむが、スチールの感じといいファブリックの「ぼさぼさ感」は、まるで小さいときのお気に入りの人形のように、クタッとしてはいるけど、かけがいがないモノ。

言葉ではうまく言えませんが、一目ぼれってやつです。


詳しく聞くと、どうやら山形の街中に昔からある映画館のモノで、最近閉めたことで、譲っていただけた代物だそうです。



こういうモノとの出会い、人との出会いは大切にそして、多少強引にしなければと常々思っています。

いいものはいいし、好きなモノは好きと意思表示することで、今までたくさんの幸運に恵まれたからです。

人には、あつかましいなどと言われたりもしますが、人の距離感が遠いといわれる最近、このぐらいのことがあっても調度いい、なんて思ったりもしています。

もちろん礼儀と相手の尊重の上に。

そんな自己弁解はさておき。



後日、紹介していただいた映画館との交渉を何度か重ね、取りに来てくれて、コンクリートの接合部分のボルトをきれいにカットしてくれるなら良いとオッケーをもらいました。


そりゃーもう平日休みを取り、行ってきました。
そして彼女も休みを合わせて、軽トラで、のろのろドライブです。



現場では、親切な会社の人に案内していただき、いざ映画館内部へ。



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電気をつけると、そこは現役の映画館とかわりなく、きれいなイスや手すりなど。

拍子抜けするほどです。


しかし、袖の部分の階段やドンチョウ、舞台など目を凝らす細部にはこの映画館の片鱗を見ることが出来ました。

全体を落ち着いてみると正面席は最近直したようで、どうやら2階のサイド部分に古い席が残っている状況。


役目を終えたイスたちが普段暗い中、スクリーンに向かっていると思うと、胸がざわつきます。

時代の流れで、閉めざる得ないことへの郷愁、季節が変わるように、時代は変化するのですね。

私はそんな、ざわつきや郷愁がとても好きです。

そうして、変わっていく価値観を横目で見ながら、前を向いていたい。



結局つれてかえるのは、このイスたち。



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6台いただいてきました。




後日掃除をしていると「コトブキ」のマークが!
さすが、日本が誇る家具メーカー、私の心をわしづかみにしたその質感、ディテールは年月の変化で熟成されたようです。


今直している家では使わないと思いますが、いずれ、日の目を見ることになります。

それまではしばしお休みを。


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